テキスト1975
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花器c 小さいガラス器だが厚味のある淡紫色の形がよくまとまっている。重量があるので写真の様な花器に比較してかなり背高い花を入れることが出来る。すすき、クメトモユリ、栗の実の三種の花。初秋の季節感のある花材だが、この花器によく謁和しており、三稲の花を1本ずつ挿して軽やかに芙しい憾じを作っている。厚味のある上ひろがりのあるガラス器に、立体調のこの花形は、均衡もよくとれてみえ、大きい花形にもかかわらず無理な慇じに見えない。花器の囮量咸心と花の軽やかさが調和しているのであろう。この花器はイタリヤのガラス器で、小さい花器でありながら単純な美しい形に作られており、目然趣味の三種の花によく調和している。ガラス器の光と花との調和という点にも注意したいと息う。タメトモユリの葉が左右に並んでおり、単調な配列がかえって而白い効果をあげている。新しい秋を迎える様な、そんな気持の花である。タメトモユリ透明ガラス器(イタリヤ)ススキクリ8

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