テキスト1974
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狂言を見る会池泉廻遊式の広大な庭園の一隅にひわだぶきの書院風の建造物、その奥に有名な能舞台がある。静寂と風雅の環境の中で開催された「いけばなと狂言を鑑賞する会」はまことにそのところに調和した美しい催しであった。梅雨の晴れまのこの日は天候もよく、+時開場と同時にたちまち会場は満員となる。金屏風に青色のじゅうたんを敷きつめた花席には、「桑原専渓の作品30点」が陳列され、彩と変化のある盛花瓶花がよいバランスをとって広間の左右にならび、豪華なふんい気が会場いっぱいにひろがってみえた。別席に特別参加の作品七点、中桐延年、桑原隆吉、桑原素子、斎藤紫水、上野淳泉、渡辺千代子、小田康子の皆さんが一瓶づつ、それぞれ努力作を出品。で、山陽新聞の重役諸氏をはじめ、岡山県下の花道諸流の家元をはじめ、岡山倉敷方面の高名の来賓多数を迎えて、この会を一層大きく高い次元に盛り上げて下さったことは、主催者とし美しい色て感謝に堪えないところであった。大多数の人達が来会、久々の家元作品展を熱心にみつめるという状態だった。京阪神をはじめ午後五時の終会まで花席は終始満員の盛況ことに県下の当流師範門下の皆さんは朝来、四国方面より来会された流内の人達も多く、ことに東京、名古屋方面よりわざわざこの会のために来岡された方達もあり、感謝に堪えないところである。このたびの花展に際し山陽新聞社の後援をいただいたことは深く感謝する次第である。午後十二時半より能舞台において狂言会が開催され、宗家大蔵弥太郎、茂山千作、千五郎、正義各先生の特別出演があって盛会であった。なお、桑原専渓の狂言、渡辺千代子、小田康子の小舞などいけばなと舞台を結ぶ、興味ある企画として好評であった。岡山の花展専渓作品30点が鶴鳴館の広間に陳列された狂言月見座頭に出演する専渓後楽園鶴鳴館及能舞台6月22日いけばなと11

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