テキスト1974
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き葉、巻葉、花、蓮台を組み合せて、過去、現在、未来の象徴と説明するのだが、この考え方は盛花瓶花の場合に枯花、現在花を組みあわせるのと、その発想において同じである。七月l八月のかきつばたに花と実をあわせて活けるのも同意である。古い花道のこの考え方は自然描写に重点があり、今日の盛花瓶花では色彩と形の外形的な意味で、新鮮花と枯花との配合を考えるのである。c シダの裸葉カラジュームシベラスアリアムシューベルチ紅花ミオオヤナギトウウチソウR褐色に枯れたシベラスの茎。紅花の枯花。ミオオヤナギ(未央柳)は緑の葉に少し赤く色づいた実がついている。この三種を淡褐色の壷に活けた。シベラスは夏季に緑の糸状の葉を長い茎につける水草である。花ものを入れず枯葉と枯花と実ものを取合せた変わった取合わせであるトウウチソウは一般にカライトソウという雅名がある。シダには裸葉(ラヨウ)と実葉(ジッョウ)の二つが一緒に一株の中から出生している。褐色に枯れたように見えるのは裸葉という。シダの掲色にトウウチソウの渋い紅色の花、垂れた花穂は面白い形である。細口花瓶の小品。cc7 @ @ R

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