テキスト1974
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毎月1回発行囀…年.ド〜た色の中にその花の紅色や紫が残りの色をみせている。渋い変化のある色彩は、普通の花にない深い色調であり、花を活ける私達に一層の興味をもたせてくれる。今日のいけばなでは、枯れものも重要な素材であるといえるのだが、枯花枯葉だけのいけばなも面白いし、なまの花と木の葉や草の葉、枯ればなの褐色、その枯れ配合するのも趣味の深いものである。フラワー」と、名前も一人前となったが、最近は乾燥技術も上手になって、乾燥花がなまの花色をそのまま残しているのもある。この号のテキストには枯れ花を活けて、その中に普通の瓶花にない面白さと、なまの花との調和について考えてみようと思うのである。.. 「ドライ枯ればな専渓スタージスより,もっと明るい感覚がある。ト)レコキキョウの淡い紫色は,たとえば楽器のハープにあるような落若きと異国的な5月に咲くスタージスの枯花。紫の花が枯れ色の褐色と交りあって,満開の5月の桑原専慶流No. 134 情緒をもつ花といえるだろう。紫色の同色の配合である。白く緑のカラジュームの葉を添えて,花器は濃い青緑色の陶器。全体的にどっしりと落着きのある形の中に,新鮮な感じのある花といえる。編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1974年8月発行いけばな

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