テキスト1974
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ーヽRこの篭は農家の道具入れの篭である。黒く褐色に古びた調子が時代を思わせる雅趣がある。これを「かけ篭」に利用して、壁面にかけ「向うがけ」の投入花を作った。しまがや、あじさいの二種を入れたが、花器の民芸趣味に調和するためには、山木野草など風雅な味わいのものがよいと思う。しまがやびわあじさいあじさいかけ花は下から見上げる関係もあり、花形も下部に垂れた形がよく、下の方に表がある、と考えるのがよい。普通、かけ花というと「小品花」と考えられやすいが、時として広間にたっぷりとした「壁かけ」の花など、装飾として面白いと思っ゜(かけばな)ー‘ーR老木のびわの木、実は少ないが枝振りは古さびて、ひょうひょうとして枯淡といった味わいがある。葉の少ないものを選んで枝の線を見えるように、そして足もとにたっぷりとアジサイを入れて安定感のある花形を作った。花器は白地の陶器だが洋風趣味のもので、びわとあじさいの雅致のある花に明るさを加えるためにこんな花器を使った。R 4 @ @ ーR /

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