テキスト1974
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i'ー1974年7月発行六月の雨の中にあじさいが咲く。咲きはじめの頃は淡い青色だったのにいつしか淡紅色に変わり、庭の隅の黄土色の槌面を背景にして、大きく丸い花のかたまりが栢み重なるようにして咲いている。しっとりと雨にぬれた黄みどりの葉の中に重たく垂れている姿は、この季節を彩る美しい情緒であろう。日本原産のあじさいは山に野生するがくあじさい(額)といわれているのだが、このがくあじさいから栽培品種が出来、私達の庭に咲く大きく丸い集団花のあじさいが作られるようになったのである。最近、いけばなに使うあじさいは洋種の「ハイトランジァ」がほとんどで、水揚もよく花の形もひきしまりがあり、色の種類も多い。あじさいの白と紫の花との配色が美しい。.. 専渓毎月1回発行ト)レコ青の壷に活けた「ハレコニア」の赤褐色の垂れた花。桑原専慶流編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元活あtU噌じさるいをNo. 133 いけばな...

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