テキスト1974
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Rの写真はグロリオーサカルソーニ(赤い百合科の花)と、シダの葉の配合である。シダは外国種のシダで「レザーリーフ」という。日本の岩ソデツとよく似ているが、長さ50センチ程度で谷渡りのように葉が厚く水揚げもよく珍しい品種である。赤い百合の花は30センチまでの短く切った材料なので、小品花には適当なのだが、さて背高く入れようとすると、これは無理である。なんとか工夫をしてと考えた結果、中心に竹を立てそれに入れて高く持ち上げるように考えた。細い青竹を七0センチ程度に切り、それを花器の中に立て水を入れ、カルソーニのRグロリオーサカルソレザーリーフ細い茎をそれに挿したが、これだと高い位附に短い花を持って行くことが出来る。その後、シダの葉を前後に4枚重ねて、竹をすっかりかくした。出来上がってみると普通の瓶花にない面白さがあって、感覚的にも珍しい品種の花と詢和した変調な作品となった。むずかしい技巧が要るが、時としてこんな工夫も必要、という例題である。グロリオーサカルソーニという花は百合科の花らしいが、かがり火草という花があり、それによく似ており葉先の巻く性質の植物で、籐(とう)の葉、ばいもの葉などとよく似ている。(シダ)Rッュツバキの軽い枝は細く美しい枝である。ッュッバキのこんなに美しい形の枝は珍しい。副材の花はインコアナナスの朱色の花、葉はカンゾウの葉を添えた。ツユツバキの横にのびた細い枝のツユツバキ向うにインコアナナスの花、前後の深さもあり流麗な線の交差が美しい。垂れた形なので背高い花器を使ったが、細く高い花器と軽やかな花のスタイルが闊和している。明るい慇じの瓶花といえよう。インコアナナス8 ーR

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