テキスト1974
60/147

Rこの花器はよほど以前に、松江の町でみつけた壷である。有田焼の古い壷だが、帆額の写実両が巧みに描かれてあり、陶器としても中々よく出来ている。少し色づいた白地に藍絵の朝顔の訓は、及の花器らしいすがすがしさを感じる。45センチ程度の高さのかなり大きい壷だが、ロもとは小さく、すすき、山百合、青楓など夏の花材を活けるのにふさわしい花器といえる。朝顔の画が写尖的に拙かれており、すべてこのように、実際の花そのものの写実画の花然は、花の活けにくいものである。したがって、こんな花堺には淡泊な調子の材料を挿すのがよい。例えば、青楓になるこ百合、ほつの木の青祁合に紫桔梗、ためとも百合の堅いつぼみ一莉、すすきに秋海棠の様に、壷に描かれた初頻の花も花材の取合わせの中にふくめて配合を考えるのがよい。写真の花、アンスリュームの大葉とテッセンの配合も花器の絵を考えつつ配合した。⑧白地の陶器に渋い赤色の絵。苧花の葉の図案だが、下方に向かって葉先が描かれてあるのは、前ページのガーベラの花器とよく似ている。この図案に調和するように、クリスマスローズの葉を3枚入れ、花器と花との配合を考えた。淡黄色のスィートサルタンの花は淡い黄色の花。細い茎の線がやさしく美しい。陶器の賠赤色の図案が、黄色の花と緑の葉に色彩を加えることになり、花と絵の色の配合というところに、二つの結びつきがみられる。8 R⑧ テッセンアンスリュームの葉クリスマスローズの葉スイートサルタンR @

元のページ  ../index.html#60

このブックを見る