テキスト1974
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このテキストには16作の「絵のある花瓶」に花を活けた。それぞれ花器と花材との配合について注意して欲しい。洋風の花瓶にはそれにふさわしい図案が描かれてあり、東祥趣味の花器にはまたそれらしい東洋画的な絵付がされている。前ページの猫足水盤や、次のページの白菊を活けた利足水盤のトウモロコシの絵の様に落粁きのあるn本両調の写小両もあり、また、これとは反対に前。ヘージのバラ、カキツバタの花器、このページのアマリリス、モンステラの鉢カバー、次のページのガーベラを活けた口細の花瓶など、いずれも新しい恙じの図案が描かれている。また、それに活けた花も、明るい感じの花材を選んで、花器に調和する感じを作ろうとしている。絵の様式や慇じによって、花材の選び方も、その色彩も花材の配合も、活ける花型さえも花器のもち味に調和するように配慮されていることが理解されるだろう。そしてさらに、花瓶の絵を引き立てるべく、花の形や下葉下枝の形について注意してあることも、理解されるに迅いない。これは普通の花瓶に活けるのとはR Rこの花器は草花鉢を入れる鉢力バーである。素焼鉢の草花鉢ものをこれに人れて室内に飾り、心念ぎわに飾る。写真の鉢カバーは白地の陶器に濃い藍色で花校様の図案がつけられている。この鉢カバーに中筒を人れ、花を活けたのだが、新鮮な図案に調和するように、モンステラ、アマリリス淡紅2本、赤色1本を挿し、モンステラの大葉を添えて外頃陶器に調和するように材料を配合した。モンステラを前向きに挿すのはよく使う万法だが、アマリリスの葉の揃え方に特徴を作って、四枚の菜をを間向きに揃えて挿した。その形がこの瓶花をぐっと引き立て、感党的にも新しさを加えることになった、と息う。花と器とがびったりとして、この二つの杞合によって別の感党を生み出すということは、新しい盛花瓶花の技術といえよう。迩って、花瓶の絵との調和、絵を引き立てようとする、そんな配慰がすべてにわたって注意されている、というわけである。花瓶の絵や図案によく注意して活けることが必要、ということになる。6 アマリリスモンステラ(スペイン陶沿藍絵の鉢カバー)

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