テキスト1974
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カヽ,0 ⑧アネモネの淡紫色、朱赤色を交えて10本ほど篭の花器に活けた。花器はアケビの蔓で編んだ民芸趣味の篭だが、渋い褐色の野趣が明るい洋花のアネモネを引き立てて美しくあざやかである。渋い野趣の花器には日本趣味のしずかな花を挿すというのが常識のようになっているが、反対に洋花を入れるのも案外調和のよいものである。この場合は色調に重点をおいて、南ョーロッパに野生するアネモネと、その地方の農村の民芸の篭、と想像をひろげるのもよいではない花を低く挿してあるのも、そんな梢緒を感じさせるのに効果がある。い青褐色の陶器の水盤。極めて浅く広々とした水盤である。いけばなの花器というよりも、盆栽家の使う水草脊せ植に使う水盤、というのがぴったりとした用途であろう。盛花には低い草花、水草類を活けるc渋のに適当だが、自然の水辺の情趣を写実的にうつす、といった考案の盛花がよく調和する活け方である。そんな気持で背たけの低い草花二種を選んだ。タチヒカゲは東北、北海遊地方に野生する湿地の草で、ヒカゲカヅラとは別種のものと思われる。これは盛花材料としてよく使うのだが、野の情趣をあらわすのに適当な材料である。゜ハンジーとの調和がよい。アネモネ一種c ゜ヽノンジーたちひかげ3 @

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