テキスト1974
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↑進歩・上昇(連動曲線)前回において芸術、スボーツなどの進歩上昇(のび率)について、運動曲線(批判する標準尺度)の話を書いた。上図はそれを図表であらわしたものだが、学問、芸術、スボーツなどの進歩上1升はこの例によることが多く、これは特殊な場合をのぞいて、人間の知識体力などによよってあらわす上昇、停渭の普辿的な例といえる。しかもこの上昇、停滞は上図の運動曲線を幾度となく繰り返して、そのたびごとにさらに土昇し、あるいは反対に下降するという状態を示すことにもなる。以上の考え方をいけばなの場合におきかえてみよう。いけばなを習いはじめて自分ながら進歩しているように息えるのに、ある時期を経過したころ、段々とよい花が出来なくなったし、どうしたらよいのかわからなくなった、という人。(これは最初のスランプに入った人である。)数年も翌っているのに、段々とむずかしくなって、いつまでもよい作品が出来ないし自信がもてなくなった、という人。(これは前例で示したプラトーの高原にさまよう人達だといえる。)芸術の場合、スポーツの場合と同じように、いけばなの場合もその能力の進歩上昇に際して、あるいは停滞の時期があり、どうにもならない様なスラン。フの状態に入ることがある。要はスラン。フを少しでも早く抜け出して、次の上昇期に入ることが必要であるし、高原にさまよう人は少しも早くこの状態から抜け出して、さらに高度の作品を作るのが理想といえる。高原を押し切って上昇する人、高原の長さ広さに萎縮して意欲を失う人、ある場合にはこの程度に自信過剌(一般に投心という)になり、そのまま倅郡し或は沈下する人、いろいろな型が生じてくる。背から「慢心は芸の行きどまり」という。これは精神の頬廃であり、特に注意せねばならないところである。さて、私は長い期間いけばなを教えてきたのだが、習う人達の進歩の状態や、男性女付の別によって生じる能力の差、その趣味の達い、女性はどんな方而にのびるか、男性の作品はどんな性格のものが多いか、などいろいろ観察することが出来て、私れるところが多かった。いろいろな芸術的作品を作る場合、作者の意志、能力、体力によって作品の性格がきめられて行く、といった状態が多いといわれる。男性女性の差迩は、好むと好まざるにかかわらず、性別によって作品の傾向が大体においてきめられる、という場合が多い。男性らしい作品、女性らしい作品という区別があらわれるものである。に対する努力、作品制作にあたっての技術という点について、男性女叫にそれぞれの差追があり、適する適さざる場合もあり、明らかに男性女性の特徴があらわれるのも、その能力に大きな閃係がある。う問題。これは常に私どもの多くの場合に経験するところである。男性の作品と女性の作品の差は、その体力の差追によって性格を変えて行く、ということは、いけばなが制作途上において、かなり体力を必要とするがために、自然、男性女性の体力の差迩が作品に強い影粋をもたらしてくるのも当然ということになる。央文庫ーのはじめに参考になる文章がある。その一部分をかりて考n身も啓発さえてみたいと思う。す。平がなのくにゃくにゃした形から、われわれはあまり男性的な敢然としたものを咸心ずることはできません。実際平がなで綴られた能力は芸術に対する知識と研究体力の差が作品に影靭するとい三島由紀夫の「文章読本」ー中第二睾文章のさまざま純粋な日本語とはかなでありま.. 平安期の文学は、ほとんど女流の手になったものでありました。日本の純粋のクラシックは、このような女流の手に綴られた、いかにも女性的な文学によって代表され、その伝統はいまも長く尾を曳いて、日本文学の特質は一ってこれを毅えば、女性的文学と言ってもよいかも知れません。それでは男性は文学にどのように参与していたのでしょうか。平安朝時代には漢字が男文字と言われ、平がなが女文字と言われていました。そして「和漠朗詠集」のような没詩の詩集が、ほとんど男性の手によって綴られ、一方、三十一文字、和歌の集には(もちろん男子もたくさん登場しますが)も負けずにー負けずどころか、代表的地位を占めて活躍しました。「土佐日記」のはじめに「男もすなる日記といふものを」という文邸がありますが、これは「土佐日記」の作者がみずから女を仮装して女文字ではじめて作品を書いたことに対する、一種のエキスキューズであります。(後略)この話は私達のいけばなへもあてはまる問題である。次号では男性のいけばな、女性のいけばなについてその特徴と、それについての考え方を書いてみたいと思う。言をも、女性/ / / / / 男性一実線女性一点線プラトーの高原/,," 期間> ,, ,, ,; (いけばなの場合)専渓----...../ 12 ,,✓✓✓-プラトーの高原②た_______,,

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