テキスト1974
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R 達でいっばいである。その店に時とすると南ョーロッ。ハあたりの壷や小道具の類がならんでいる。店のていさいにならベてある商品であることは目にみえてわかるのだが、御婦人用の服地やアクセサリーの陳列側の隅から、これは而白いと思うようなものをみつけ出すことが時々ある。てきた「陸かけ」と「靴べら」。二つとも金色に着色してあって、手にとってみるとなんとなく軽やかで美しい。早速これを利用して花と取合せて意匠花といった装飾花を作ってみる。Yという店、いつはいってもお嬢さんここに掲載した写真はその店から買っR金属製の駆かけで、整面にかけてハンドバッグや相子などをかける用具だと思う。バラの形をしたこの金足具を黒漆の花台に柚にして岡き、小さい水入れの容器を添えて、ビンク色のバラを2本かざりつけた。黒地の漆に金色と淡紅色、バラの葉の緑が浮きたつように美しい色感をみせている。少し古風な意匠だが、きれいな好みだと思う。R次にこの二つをかけばなに使ってみる。二つとも釘にかけるように小さい輪がついている。二つをかけあわせてみると趣味も同じ調子のもの、色も同じ金色である。靴ベラの方へ小さい容器をとりつけて、それに花を入れる。ピンクのバラ2本を挿してみると明るい感じがよく調和して、思いつきにしては美しい装飾花が出来た。靴ベラのいけばななんて下手もの好みの様だけれど、なにしろまっさらの一度も使ってないのですから、これも美しいものの中へ入ると思うのです。あとは実用に使います。さて、以上のようないけばなは、軽い装飾的な意匠であって、普通のいけばなとは別の軽やかな考案といったものである。それでもそれぞれの器によく調和する花を挿すのには、いけばなの技術がいることはもちろんである。身近かな材料を考歪てあなたも作ってみませんか。11 壁かけの装飾として4→ 5→

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