テキスト1974
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壷、、ム、ラメンどの専渓猫やなぎは而白い材料である。12月のころ猫柳に紅葉の梨菊をつけて瓶花に活けるといった趣味も風雅であるし、白椿、紅桁の調和も野趣があって徐てがたい味わいがある。二月ころ枝に連なった実が皮を破って、銀色をみせるようになると、ようやく早春の光を見るように、ひとしお季節感を覚えるものである。椿や菜種をあしらって活ける猫柳もよいが、反対に洋花と取合わせてよく調和するのも猫柳の特徴といえる。アンスリーム、シプリペデューシンビデュ—ムその他の洋蘭の類、ストレチア、アマリリス、シク力—ネーションなど材料も猫柳によく調和する。これは、猫柳の銀色の実が洋花に調和するのだと思うのだが、猫柳の自然趣味をはなれて、色と形からの配合に重点をおいて考えれば、日本趣味、洋花趣味のとらわれから離れることが出来ると思うのである。この月号の1。ヘージは、ナギ、ストレチア」の瓶花である。花器はス。ヘインの陶器で、高さ33センチ、柚船35センチの大きい壷で、渋い緑色の手附壷である。この花器は最近、通りかかったある雑貨屋でみつけた壷だが、この店はスペイン、イラン、インド方面の手芸品雑貨、陶器民芸品などを蒐集している面白い趣味の店で、持って帰っていただければ五、000円お値引きしましょうというのを、もちろん持って帰りましょうと、かなり重量のある壷をさげて帰ったという、苦心の買いものである。活けてみると花器の強い感じが、花を引き立てて中々而白い味わいを出していると思う。「ネコヤスペインの毎月1回発行桑原専慶流編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1974年3月発行No. 129 いけばな

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