テキスト1974
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⑪花を引き立てるためには花器の選択が大切である。どの花器にでも活けることが出来るが、材料にはそれぞれ性格があり形も違うのだから、その引き立て役の花器をよく選択することが、よいいけばなを作る、ということになる。たとえば、ここに掲載したCの写真のろうばいと白椿の生花は、竹の寸筒に瓢の飾り窓をつけた花器。単純な生花の花形に対して竹器の装飾が色艶を添える様な感しを作り出すものである。また⑪のラッ。ハスイセン白椿の小品花は、花器は扁平な濃緑色の花瓶で単純な形だが、なんとなく明るい感じの壷である。これにラッパスイセンの淡黄の花、椿と白と濃い緑の葉、これを軽く挿して小品ながら美しい雁花である。こんな工夫は花に対する愛梢ともいえるものである。c⑪ cろうばいには直線的な枝振りのものが多い。索朴な感じの花木だが、その中に風雅を感じられる材料である。直な形をそのまま活かすようにして生花を作った。背高く腰は低くて生花としては変調な花形だが軽やかな中に面白い味わいある花、といえる。白椿をひきしめて皆控に挿し、株もと低くぐっと安定させた調子。生花としては而白い味わいの花といえる。3 心総-ろうばいすいせん白椿(生花)白椿

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