テキスト1974
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A 木曽馬籠峠B 京都嵯峨野桑原宅の庭すすきには水揚のよいものと悪いものの区別がある。種類によることもあるが、山のすすきは大体において水椙が悪く、ことに岩や砂地のある場所のものは水揚が悪い。山のすすきは葉も細くすらりR として形がよいがやせた土地に出来ているので葉が薄く、水分が少ない関係で切るとすぐしおれる。って出生しているすすき、池沼などの畔に生えているすすきは、背丈も高く葉も長く、形こそ悪いが水分の保有量が多い関係で水賜がよい。庭のすすき、青かや、しまかやの類は日当りのよくない場所にあるものでも、細葉のものが少なく、背丈も高くなり葉の広いたっぷりとしたものが多い。て水似がよいということになる。うとすぐしおれるものの多いのは、野りのすすきの形のよいものこれに反して田畑のあぜ道にそしたがっいけばなに使う場合に花屋で買を手軽に切ってきた関係上、見た目にはよいが永もちしないということになる。すすきは格好が悪くとも葉の広いだらりと長い種類を選ぶことである。花展などに使う場合、野生のすすきは半日しかもたないのに、庭で切ったものは二日間程度はもつ、ということになる。家で活ける場合はいずれの場合もその二倍はもつのが普通である。なによりも新鮮でないと駄目だが、切って風をあてない様にして、切り口を熱湯で煮く。写真は山のすすき、水辺の泥で育ったすすき、庭のすすきの三種だが、形のよいものほど失敗率が高い。c すすきcR 24

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