テキスト1974
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イー、iユキヤナギの緑の葉、白花のテッセン、橙黄色の単弁小菊。この三種を濃い緑の扉平な壷に挿した。テッセンは夏の花だが10月まで美しい花を咲かせ水腸もよい。平凡な花だがさわやかな感じのある小品的な瓶花といえる。三種の材料とも足もら`り),との葉をとり去って、枝と茎の線の見えるように軽やかな感じに作り上げてある。やや基本花形に添うた温和な花形だが、家庭のいけばなとして適当な花であろう。左下に垂れたユキヤナギの枝が全体の花形に変化を見せている。9月24日、ようやく秋らしくなり萩の花もこほれ落ちる平節となったのだが、かねての希望もあって多忙な一日をさいて木曽路の旅に出かけることになった。ちょうど日本いけばな芸術協会の名古屋股後期が開催中であったので、それを見るためもあって、名古屋から中央線に乗りかえて中津川駅に降り立ったのは山午に近いころだった。江戸時代の索朴な宿場町が残存している馬籠(まごめ)妾籠(つまご)を見たいのと、も―つはこの占い宿場町を背景にして、真にするという目的もあって、少しばかりの花器とそれらしい秋の花も一紹に持って行くという、いささか欲張った考えもあったのである。古い民家といけばなという組み合せは、いささかナンセンスかも知れないが、秋らしい情緒にしては而白いかも知れないと、テキスト編集者としての雑誌屋精神もあり、また久々のレクレーションの気持もあって、雨もよいの今日、コスモスは淡紅のはな木曽の雨、などといい気持になって、写真の小西氏とお供のキック氏、私の三人で古い宿場町を歩いて行った。野の花を活けて写8 木曽路を行く専渓4心;\―`文笠

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