テキスト1974
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の2本は褐色の枯花が入っている。古雅なさつま焼の大これは10月の花曜会展の出品作である。高さ2メーター弱の大きい作品で、材料はすすき、けいとうの紅色、黄色の二種、カシワゴムの大葉3枚、中央にホトトギスの淡い褐色の花が入っている。直立しているように見えるが、実際は前方へ傾斜しており、全体は秋らしい草花を配合した瓶花である。けいとうの渋い色調のそのうちきい壷に入れたこの瓶花は悠然とした落着きがあり、濃い緑色のカシワゴムの大葉がたっぷりとして、外国種の葉ものにある明るさを見せている。私の庭にあるススキの葉とホトトギスを使ったので水揚も十分だった。私の近くの町に「コスモバザール」という東南アジア専門の民芸品店がある。タイ、イラン、インド方面のいろいろの趣味の道具を売る店だが、ときどき通りがかりに立ち寄ってみると、時として而白いものを見つけ出すことがある。この瓶花の台に使ってあるのは、マレーシヤ方而の打楽器だが、相当古くすでに打楽器としては用をなさないのかも知れないが、全体皮製の形が中々面白い。早速、これを花台に使って、瓶をのせ花を活けてみた。アワの枯花とヒマワリの二種をとり合せて、アワの切りはなした茎も一緒に挿し込んで盛花様の花を作った。色は台と調和してよいのだが、花の感じがも一っよくない。この次にはよく考えて引き立つ様な花を活けてみようと考えている。それらしい調和の褐色のガラス花7 c 枯草ヒマワリ@ すすきけいとうほととぎすカシワゴム

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