テキスト1974
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R黒褐色の細口花瓶に活けた秋草三種。花器は阿波の大谷焼である。この春、徳島へ講習に行ったとき鴨島町の「本郷」という民芸店で買った壺だが、形もよく落秤きのある陶器の味わいに品格が感じられる。゜ハン。ハスの穂を小さく切りわけて足もとに添える。カヤの青葉とヒマワリの黄色が、花器の褐色に調和して新鮮なうるおいを感じさせる。この壺にササユリ一種もよく、単弁の紅椿などよい調和だろう。R 菜の前に黄緑の栗の実が点々と重なこの花器は単純な形だか焼成の謁子が変わっている。淡いチョコレート色に紫がかった濃い色があり、彼く落舒いた屈じの壷である。栗の枝3本、すっかり葉をとりさり枝の線と実のよく見えるようにして、後方に入れたあしらいの菊の花と葉も栗の枝を通して明るくはっきりと見える。大輪菊の濃い赤色の花、談い緑のって色の調子がよい。九カより十二月まで秋は実ものの多い季節である。裸木に実のある木ものに菊の配合は阪花として季節感の深い花といえる。この瓶花は栗の細い枝の線の配骰によって花形が構成されており、前方から上方へ登らせた真の枝、その後方へ深く入れた控の枝、右下の短い枝と左方へのびた留の枝が前後左右のバランスを作っている。6 / ヘR ススキヒマワリ柴栗紅菊ノぐンパス

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