テキスト1974
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二00円—洋陶社)八月下旬にこのテキストの写真をとった。十月号の花を八月に写すのは季節的に無理で、この月号がいちばんむずかしい。過ぎた夏の花をふりかえる気持で見て欲しい。この瓶花は「スタージス、ヒマワリ」種を黒い花瓶に活けた八月の花である。スタージスにも種類があって、これはおそ咲きの品種らしいが、渋い紫色の花が細い茎に群がって咲いており、写真でみると女郎花の様に見える弱々しい花が集団花となって、これにヒマワリの淡黄色、これも新種の花だが、この二種を黒い花瓶に入れて、明るい感じの瓶花を作った。黒と淡い紫色と黄色。常識的な色の配合だが形がやさしく軽やかなので、色調とともに新鮮な感じを生み出していると思う。花器が少し高いので花形を低くして下部のヒマワリの花を花器の前而にさげて花器の黒との配合を考えている。この花器は数日前に京都の宜条坂で買ってきた陶器だが、単純な形がすっきりして花との閾子がよい。内部の底が上の方にあって剣山を骰くことが出来、花うつりのよい花器で、値段も安く練習用に使いやすい花器である。ッセン」に使ってあるのもこの花器だが、左方にのびたノリウッギの形も花器に調和がよい。活けやすい花器というのはこんな花器をいうのだが、高級な陶器でないだけにやや品格に乏しいが、純秤用として最適の花器といえる。(二、このヒマワリには水楊のよい緑の葉がある。写真の瓶花はほとんど葉をとり去って活けたが、緑の葉のあるのも色彩的に美しいと思っ。明るい屈じの部屋に調和する初秋の花である。やさしく美しい色彩をみせている。4。ヘージに「ノリウッギ・テ晩夏のサ化毎月1回発行桑原専慶流編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1974年10月発行ニNo. 136 いけばな

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