テキスト1974
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床の間(とこのま)に活けた立花(りっか)と、迩い棚(ちがいだな)の下に活けた大きい瓶花。二作の花を飾りつけた床の間の写真だが、これは七月十四日、桑原冨春軒での臆眼会のときの作品である。座敷は十二帖の部屋だが、普通の場合は立花一瓶か、又は瓶花一っを飾ればよいのであって、二瓶は少し派手すぎるということになる。(すすき瓶花おみなえし)いけばな展の床飾りとしては、立花と瓶花の組み合せは大変、装飾効果があり而白い配合である。床の間に立花を立てるときは、かけ軸を用いないのが原則で、低く小品立花の場合は横がけの軸をかけることがある。この写真では袋棚(ふくろだな)の下に違い棚(ちがいだな)があり、その下の地板(じいた)に大きい瓶花が活けてある。伝統の立花と自然趣味の瓶花床飾専渓10 立花と瓶花

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