テキスト1973
95/149

c 栗とけいとうの瓶花である。栗栗cある。八月の末から九月はじめにかは俗に「柴栗」という。けいとうは「いちょうけいとう」。この二種でけて山裾の栗も大きくなり、朝ごとにばらばらと音をたてて落ちる。いよいよ秋である。この瓶花は丹波焼の壷に山村の秋の花材を取り合わせて、のびやかに活けた瓶花である。花器と花材の組み合わせが索朴な野趣をあらわしていると思う。いかにも初秋らしい慇じのいけばなである。るのも変わっており、その上の空間をすかせてあるのも技巧的である。左右に枝をはり出して、対照形の花形に活けた。栗の実をみずぎわ低くかためてあ、\\ .\ R Rかきつばたの花が四月から五月c へかけて咲き、六月のなかばには写真のような実が出来る。づんぐりとした丸い実が葉の群がりの中に立っているのは面白い風桔である。黄土色の土器様式の鉢に、かきっばたの実3本、緑の葉をあしらってこれに桔梗の紫の花を添えた。すがすがしい新鮮な感じの盛花である。この花も自然の野趣を感じる花である。六月より七月へかけての配合として適している。5 ⑧ かきつばたの実ききょうけいとう

元のページ  ../index.html#95

このブックを見る