テキスト1973
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R竹の一重切筒にばらん九枚を活けた。活けにくい生花である。花形は左勝手の副の長い形(副流し)である。しん、うちぞえ、そえ、しんかこい、どう、どうのしずみ、ひかえ、とめ、そうかこいの九枚を使い、留は花器の中央の窓の中へ出ている。花器の柱にふれないように活けることが大切で、そのためには前方へつき出すように形を作る。このばらんはツマジロバランといって葉先の小部分が白い。業にしまりのある形のよいばらんである。ししR二重切筒の仕花である。下段にナッハゼ、上段にシャクヤクの濃紅の花二輪を挿す。ナッハゼの自然風な枝振りをのどかに組み合わせて楽な調子に仕上げた。生花というと形式にはまりやすく、定型にとらわれがちなので風雅の感覚から遠ざかる。よい枝振りの材料を選択して自然趣味の花を活けると、このごろの季節感にも調和し、またのびのびとした新緑の色彩の花が作れる。流暢な感じのある生花、こんな調子の花が今日に適していると思う。シャクヤクの濃紅も美、。8 魯@ なつはぜしゃくやく(生花・ニ重切筒)R ばらん(生花・一重切筒)滋、

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