テキスト1973
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i・大阪和光花器ーー—京都高島屋)R松と赤椿の瓶花。花器は日本の陶器だが、図案が新しく新鮮な感じの花器である。白地に黒褐色の絵がはっきりとした印象をうける。洋花を活けてもよく調和するし、写真のように松つばきの様な落着きのある花材もよく調和する。松につばきの様な材料も、花器の選択によっては明るい感じに見えるもので、自然、花形も花器の調子にあわせてひろやかにのびのびと活けられる。もちろん、この松はおまつのつんつんと立つ形の中に変調な趣味があり、つばきにも木ぶりに面白い形があって、普通の瓶花にない明快な感党があり、この点は花器との趣味が一致していると思う。花器と花材の色調もきわだって美しい。絵のある花瓶は、なんといっても絵がよくないと駄目である。写実画の陶器も図案を描いた陶器も、下手な画では花が引き立たない。ことに新しい絵附のある花瓶は、優れた創作閃案でないと花瓶の格調をさげることになる。R黄緑色の大きい鉢は直径30センチ、テーブルはフランス製のティーテーブルである。黒褐色の塗料仕上げに、金屈の加工があり色彩が美しい。この合は軽やかな感じであるから、花も小さい花器の小品花がよく調和すると息う。この号のテキストは外国花器を紹介するのだから、この台と花器を写真にするために、とりあえず花を入れたのだが、この盛花はあまりよくない。むしろ白花のバラ一種がよいと思う。バイモは浅みどりの草花、茶席の小品花に適した花で、これも叫材よりも一種挿しのほうが引き立つ材料である。(テープル花器・京都泊水⑧ 花• 松つばきR 花器・テープル(フランス)陶器(イタリヤ)花・バイモノゞラ10

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