テキスト1973
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R黒色の手附花瓶。手のゆるやかな形が美しい。ふくらみのある下部には乾燥したヤシの葉を加工して装飾がほどこされている。ヤシの葉を細く組んだ技巧が美しい。これはオーストリア南部地方の民芸品である。高さ25センチ程度のこの花瓶に淡紅色のシクラメンを挿したが、葉をととのえた。鉢植のシクラメンの巾から花茎の長いものを選んで切りとったのだが、花瓶の軽やかな感じに調和するように、明るい花、やさしい成じの材料を選択した。を3枚、っぱみの茎をあしらって形R Rデンマークのお台所用品。黒色陶器の味附小皿二つ。ぶあつい陶器で手の長く作ってあるのが形もよく、実用的にも使いやすい食器であろう。手を結ぶように左右に性き小品花器に使うことにした。応用的な考え方の中にすっきりとした美しさがある。剣山を入れて―つにはスイトピーのビンクの茎2本‘―つには緑のムギ3本を軽く入れる。黒色の器に花の色が調和して新鮮な感じである。黒い花器に清楚な春の草花の配合は意匠的な趣味のいけばなといえるだろう。日本の食器と少し違うのは手の長さである。機能的で便利な形の中に造形の哭しさがある。民芸品のよさ、といえる。応接間の棚の上に飾るのもよいだろうし、食点に横長に附いて、少し低いめに花を入れるのも調和がよく、楽しいかざりつけになる。4 泰花器・デンマーク花・スイトビームギR R 花器・オーストリア花・シクラメンR

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