テキスト1973
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c c透明のカソトグラスの花瓶。鋭角の断面がキラキラとして新鮮な感覚である。ガラス器には種類も多く複雑だが、透明ガラスは清爽の感じが深く、主として晩春より反の花器としてふさわしい。写真のガラス器の花器に、花は淡い朱色のボケ、淡紅のチューリッ。フの二種を活けた。花材の分量を少なくして美しい枝と色のきれいな花だけを選択して、複雑にならない様に、つとめて単純な形に仕上げたが、これは花瓶の條やかさに温和することと、花瓶の口もとを美しく仕上げること、ガラスを通して見える花瓶の中を浩潔に見えるように、そんな点に注意して活けあげた。この場合、卜菜の多い花材はガラス恭のするどさをかくすことになり、この花器を使う目的に反していると思う。また、花附の一ぃ9さに対して花の高さも比較的低く挿して、正たげに見えないように注意した。きょう買ってきたガラス器の花瓶、箱からとり出して矢しい花を活ける気分は、尖に新鮮である。花を活けるときのその心のときめきというものは、いけばなの作品感覚に深い彩鰐を与えるものだと思う。⑪同じガラス器にテソボウユリ3本を入れる。簡単にさしこんだ花だが、すきとおったガラス器に白い百合の花と緑の"染は史にすがすがしい感じがする。瓶花にはこのように技功的には手軽くさせる花でも、化器との訓和という点について、深い注意がはらわれている場^11があるれ、新鮒な緑の変か花器の内部まで入っており、ガラスを通して見ろ梨色はまことに清爽とした感じをみせている。挿すことは丈に簡単な花だが、出来上った作品からは手のこんだ花を活けるより以上の美しさを感じることが出米る,このように花器と花との効果的な配合を考えることも、いけばなのすぐれた技術といえるわけであり、花を引き灯て花湘をひきたてる―つの方怯である。ガラス器の左方へよせて百合3本を入5 3⑪ 白化合ボケチューリッフ゜

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