テキスト1973
141/149

細い茎の草花を美しく並べて水盤に立てるといった場合、剣山では密めにくいときがある。そんなときはオアシスを使ったならば写真のように自由にどこへでも突き挿すことが出来、至って簡単である。ボピーとアロカシアと、ミリオクラダス三種の軽やかな盛花だが、足もとをかくすと、全然気づかないほど美しく仕上げることが出来る。この盛花は軽やかに美しい色彩梱花。上のボビーの盛花をみると少しおかしい、と思うところがありませんか。それは造花が3本使ってあるのです。ポビーは淡い黄色の花、オレンジ色の花、これはほんものの花です。そこへ淡い空色のボビーの造花を三本加えたのですが、色彩効果がぐんと増して美しい明るい盛花となりました。べつに造花の空色を加えなくても美しいのですが、この色を加えたことによって一段と新鮮になったことは事実です。自然の草花にはどんな色の花でもありますが、まっ黒だとか、その他の色でも造花のほうが引き立つという垢合がまれにはあるものです。そんなとき、使うという程度ですが、造花を花の中に加えるために品格をさげるという場合が多いですから、よほど注意を要します。主として褐色、黒色の造花が趣味もよく、自然の花との迩和感もなくて、びったりとした感じに見られるし、造花を使うからには、特殊な効呆をもたらすことにならないと加えた意味がありません。美しい考案がないと失敗になりやすいから注意することです。このポピーの盛花の場合、特殊な色を加えることになりこの盛花が断然明るくなります。うまく使えば造花もまたよしということになります造花を使う15 オアシス作品例② 細い草花の足もとが美しく立つ

元のページ  ../index.html#141

このブックを見る