テキスト1973
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ネノR10月に活けた菊三種の盛花である。濃い赤の大輪菊4本を真副胴と挿し、中問から留へかけて濃い赤色の単弁菊、胴と控に白い単弁菊を入れて花形を作った。この花形の場合は中間を高く前に傾けると形がよくなる。秋の盛花としてぜひけてみたい盛花である。一度は活く、R横長の水盤に単弁小菊(白と赤)とオミナェシを配合した盛花である。横に長く特に背を低く作った盛花で、横にならべた菊の花の配列に高低と空間を考えて変化を作った。意外にむずかしい形である。赤の小菊とオミナェシの黄色との配合もよ9月の花として趣味が深い。菊の盛花に赤く色づいた山木の実がある。ウメモドキではなく名がわからないが、グミのような柔らかい実ものである。これにクリクマという淡紫の洋花を添え、モンステラの小葉を2枚つけて盛花を作った。左横に低く長く花形を作った処に特徴がある。c9月に入ると近い山の雑木の中巻頭1。ヘージの盛花は、淡紅のカーネージョン6本、8枚で作った盛花である。ションは手近にみられる材料だが、活けてみると意外にむずかしい花である。あまりにも見なれた材料であるだけに平凡になりやすく、カーネーションのいちばんよい感じが中々つかみにくい。要するに同じ形の花をどう配列するかにあるのだが、花首をならべる方法と、マッス状にかためて挿す方法があるわけだが、いずれにしても、軽い気持で挿したのでは、単なるアクセサリーにおわることが多い。それだけに活ける前に警戒してかかるのだが、今日はタニワタリの緑の葉の前後に重なった調子と、カーネーションの横にならべた形とを、組み合わせて盛花にした。黄土色の横長の花器を選んで、中央に株をかためて、左右に空間をのこし、前後に深くタニワタリを並べて(全部前向き)その中に長短を作った。横並びに作りその中に多少前後に挿して、その後方までタニワタリを入れた。緑の葉、ピンクの花、カーネーションの茎、花器の黄土色、その色調が調和して単純明快な色彩的な盛花となった。カーネーションとしては個性のある挿し方であろう。タニワタリの葉カーネー花を集団的にカーネーションの頭を揃えて。ヘージと3ページの花器は、いずれ。ヘージに余白があるのですきなこR゜さて、1。ヘージの柚長の花器、2も同じ陶器師の作った花器であることが、写真をみてもよくわかると思この花器は京都の五条坂で買った花器だが、恐らく四日市の陶器であろう。値段は七、八千円程度の花器だが、黄土色の土器様式でデザインも単純なさっばりとした形である。花器はあまり装飾の多くないほうが花との醐和もよく、花を引立てることになる。写真でみるようにこの三つの花器は図案も簡単な線があるだけで、かなり厚手に作りあげた陶器なので、どっしりとした安定感があって実に活けやすく、花うつりのよい花器である。和種の花も洋種の花にも調和がよい。花器を買うのはむずかしいものだが、花を活けてよくうつるかどうかを考えることがなにより大切である。とを少しいわせてもらう。皆さんはこのテキストを手にするとき、原稿をすべて読んでくれていますか。写真だけ見てッンドクという人はないでしょうね。年若い人はとにかくとして、おばさま族も必ず読んで欲しいのです。すべて家元の書く文章ですから、必ず読んで下さい。お願いします。.. 2 .

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