テキスト1973
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島n10分この立花は7月29日、大阪美術倶楽部において開催された関西いけばなグルー。フ展に出品の私の作品である。昨年もちょうど同じ時期に蓮の立花を三作つづけて活けることができたが、今年もよい機会を得てこの作品を作ることができたのは、実に幸せと思っている。早朝、まだ明けきらぬうちに郊外の蓮池に入って、朝露にぬれながら蓮を切る気持は、実にすがすがしいものである。ことに午前九時までに活けあげるということになると全くあわただしい限りなのだが、会場へ運び込むと大急ぎ水揚げ、そして活け込み、まもなく開場、と考えるゆとりもないほどの短時問に、とにか<責任をはたしたのがこの作品である。考えようによっては急速に活け上けることが、迎のいけばなの技術ともいえるのだが、ただ、その中に自分の作品に対する野心、この機会に必ずよい作品をと思う心と、ながら、仕上げに向って急ぐ心とが入り交じって、全くはげしい最終の時間であった。ほっとした時、作品はすでに仕上っており、入場の人逹が群がっているという状態であった。辿のいけばなはまことに技術と時間のたたかいである。と縮って行く持ち時間に追われ15分`亭はす蓮の立花りっか48年7月桑原専渓作, ,If 1'1.13if.Mlllllllt' 12

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