テキスト1973
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Rチューベローズの白い花、これにしゃがの葉をあしらって「生花」を作った。この二種は調和もよくしゃがの葉をあしらうことによって、チューベローズも生花として形よく活けることができる。こんな工夫さえ生花にとっては創作なのだが、今日的な考え方をもってすれば、最も美しい自然の配合といえるだろう。現代生花の自由はこんな程度がよい、と思うのであチューベローズしゃがの葉(生花)る。花形では伝統の形式を守り、花材の配合は自由にする、ということになると、随分面白い生花が活けられることになる。洋花の明るさと生花の品格のある形との調和、とでもいえる作品を作ることになり、新しくのびる道を発見することになる。今後、伝統生花とともに、現代生花の類例作品を掲載してゆきたいと思っている。これは今日に活きる生花の行く道でもある。まんさくさんぎくR杉の木で作った手桶、これは「栗山手桶」「日光桶」などと呼ばれる民芸品である。風雅な形と野趣があって、山木野草の類を活けるとよく調和するし、ことに軽やかな素朴な感じが好ましい。篭の花、手桶の花などは「瓶花」というよりは投入花なげいればなーというのがふさわしい呼び名である。まんさくと白い山菊を軽く活けたが花器の右半分をすかせて手をかくさないように注意して活けた。8

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