テキスト1973
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生花である。(かや3本、百合5本)すすきやかやを生花に活ける場合、普通は上部にすすきを入れ、足もとの根締(ねじめ)に草花をあしらうことになっているのだが、この場合はてっぽうゆりが背高くのびやかな材料であるから、真・副・胴の部分に高く百合を入れて、すすきの葉のRしま(生花)しまがやがや、てっぽうゆり二種のてっぼうゆりR真、副と合せて二種の花材で上部の花形を作っている。胴、留は百合で作り、控は省略して入れていない。いわば変調な配置と一部分を省略した花である。この流儀の伝統生花は普通五体であるが、材料の数、又、その性格によって三体に省略することもあり、ある部分を省略することもある。Rモンステラ、かのこゆり二種の瓶花である。かのとゆりは八月の百合で、これは紅色のかのこゆり。三角形の花瓶に明るい感じのモンステラがよく調和して、その後方の紅百合が色彩の美しさをみせている。単純な形と新鮮な色彩、そんな感じの瓶花といえる。モンステラを前而に向けて葉の変化を見せており、活けることは簡単だが配合について工夫のある瓶花である。八月は切りばなの持ちにくい季節であるが、その酷暑の中にいちばん美しい花、水揚げのよい花ともいえる花である。モンステラかのこゆり6 ..... 羞⇔@

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