テキスト1972
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⑪ c c ⑪渋い紅色の花、カライトソウはまたの名をトウウチソウという。中部日本の高山地帯に咲く野草である。長さ1メートル程度の草花だが、屈糸草の名のあるように紐のように垂れさがった花穂が、古くさびた梢紹をみせて、葉の形も高山植物らしい咸心じをもっている。6月下旬から7月へかけて花屋でみかける花だが、水揚もよく風雅な梢銘が成心じられる。スイレンの白花、カラジュームの緑と白の紋様のある葉。この三秤を手桶の花器に挿して瓶花を作った。花器は杉の木片で作った「火山手桶」クリヤマデオケ。この手桶は日光桶又は木曽桶などといって、山家の水桶を校して花器に作ったものだが、民芸の雅趣が感じられ山に咲く草花の類を活けるのに適している。カライトソウの暗紅色にスイレンの白の配合も美しいし、カラジュームの葉を一枚あしらってあるのも色彩的に効果がある。この場合、洋花の葉をつけてもしっくりとよく調和しているし、カラジュームの葉によって明るい恙じを加えていると息う。洋花の葉も用い方によっては意外にしっくりとした調和をみせるものである。⑨ 3 アジサイキキョウカライトソウスイレンカラジューム今

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