テキスト1972
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小品とは小さい品ものということである。あるいは小さい製作品をさして小品という。文章などの場合に短い文章、短文の作品を小品又は小品文などという。造形作品の場合、絵画、彫刻、陶器など、小さい作品が小品と呼ばれるが、これに比較して大きい作品を大作ということになっている。小品という言葉があるのなそらう、な中も品の大だが品な、そどんとない言っ葉てはもなよいさ゜まるというのが常識である。中作大作という言葉がつかわれる。小作中作大作という言葉はあるのだが、大中小の基準をどこにおくのかというと、そんな標準は定まっていない。特に大きい作品は大作、普通程度の作品、小さい小品作ということになっており、大体の感じで定いけばなの場合も同じである。普通作、小品のはっきりした区別はない。したがってこのテキストに掲載したいけばなは全部小品ということも出来るし、中には普通の大きさと見られる花もあるだろう。ただ、それぞれの特徴のあることは事実である。たとえば、大作は小中作の引仲しではなく、大作は大作としての棗壮な感覚と大きい作品の各部に変化の多い形が作られておりそれが結介して自然、大作となる性質をもっている。写真の引伸しの様に小さい原版を大きくしたものではない。また、小品は小品としての清楚な形の中に、小さければ小さいほど味Rサンキライの朱色の実、白の中輪菊、シャガの緑の葉を篭に活ける。篭は「唐人傘」という名の黒禄色の手附篭である。朱色の実と、菊の白の対照が美しい。軽やかに風雅な化である。置は手の前にだけ花を入れることも・ーのるし、手の伯部と後部にわけて入れることもある。分羅少く軽やかに活ける。R平らな形の白竹のこの篭はお合所川品の野菜篭である。左方に中筒も似き、剣山を人れてそれに留める。サソキライの朱色の実、白色の単弁菊、渋い黄色の細弁の中菊。この配合は晩秋の農村を想い起こすような雅致の深い花といえる。サンキラィを左右に高く低くわけて入れ、後方に高くサンキライの茎を越えて菊を入れた。わうことの出来る精緻の美のあることが必要とされる。普通作の小型ではない。単に小さくつづめたものではない。ただいけばなは花器と場所によって小品花を活けることが多い。実用的な装飾作品としてのいけばなは、当然、それが必要とされるがゆえに、小品花を活けるということになる。@ サンキライR サンキライ菊シャガ菊二種10

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