テキスト1971
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盛大に催された桑原専渓氏叙勲祝賀会京都ホテルにおいてこの日、流儀の師範門人の人達が集つて祝賀会が開催された。京都、大阪をはじめ中国、四国、滋賀地方より出席の会員は二百数十名を数え、広い大宴会場において盛大な。ハーティーがひらかれた。三重野慶芳氏の司会によって開会され、まず望月慶聡氏が祝賀会開催の趣旨をのベ家元先生には永年の日本文化に対する功紹によって、勲五等瑞宝章の栄営をおうけになりました。流内一同の羽びこれにすぎませんと挨拶があった。まもなく今日の祝賀会のために専渓氏の舞う「祝楽、三番三」の幕がひらかれた。舞台の金屏風を背景として、三十分にわたる専渓氏の舞姿に、師範の皆さんは感激の涙をおさえるのだった。(笛ー杉市太郎氏、小鼓ー曽和博朗氏正博氏、大鼓ー中村享道氏、後見ー茂山千作氏)なお千歳は茂山正義氏であった。つづいて「花手前」の式が上演された。岩出疫寿氏、田中度幸氏のお二人、白菊を青竹に活け、琴「六段の曲」の伴奏によって優雅なふんい6月27日午後4時30分きが会場いつばいに満ち満ちた。ここで、専渓氏が服装をあらためて粁席。人見度江氏が師範門人を代表して祝詞をのべた。家元先生の御受貸はまことにおめでたい限りであります。これは伝統のある桑原専度流の歴史の上に光彩をそえられたものと感激に堪えない次第であります。と、師弟の哲いをいよいよしつかりと結びあうことを述べたものであった。このとき大森炭悦氏が代表して一同よりの記念品を贈呈。さらに桑原桜子ちゃん、はなちゃんの姉妹が花束を贈呈、満場の拍手がわき上つtこ 専。渓氏の謝辞は花道家として出発して五十年、ここに息いがけなくもこの栄誉をいただき必激に堪えません、といよいよ流儀のために献身することを述べられた。茂山千作氏の乾杯のおことばによつて一同乾杯、祝賀宴にうつつた。この日は、一般来賓の御招待をご遠応したのだったが、うちわだけの祝賀会であったので、日項親しみのある皆さんが心ゆくまで歓談を楽しみ、最後に田中炭春氏の閲会の辞によって、記念すべきこの祝賀会を終了した。(祝質会にて、専渓先生)(皇居御内苑において叙勲者記念撮影)

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