テキスト1971
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‘,0 ' 夜私の家に照明具がいくつかある。折にふれて面白そうなものを買いあつめたのだが、夜、電灯をつけて、その横に花を活けてみると、ひるの光でみるのとは全然ちがった味わいがあって中々おもしろいし、光と陰影の関係もあつて特殊な美しさを発見することがある。いけばなの形という以外に、別の美しさをみることもできる。こんなに考えてくると、夜のいけばなというもつと広範囲の問題に及んでくることにもなるだろうし、夜に引き立つ花という材料自体にも考えつくことになる。昼に活けた花が電灯の光のもとでは思いがけなくも感じの迩う場合があるのは、よく経験することだが、夏の夕刻に少しくらくなったころ、庭の夕顔の花が白くおぼろに咲いているのをみると、はつきりとそれとみつめるよりも、ほのかな白がうすやみの中に、ぽうと見えるのが夕頻の情紹を一屈ふかく感じることになる。光と花の関係は中々面白のいけばなは、光と花と、光と色彩とを作品の上にもたらすものである。そんなことを考えつつ、照明具と小品のいけばなを対照して写真をつくった。こ照けばな明具と専渓' `ン`` . ロ~ 喝I, 毎月1回発行桑原専慶流No. 98 編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専股流家元し‘いけばな19 7 1年8月発行f!l!I

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