テキスト1971
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にして、毎月出版していたことがあった。二年ほど続けたと思うのだが、あまり理想的趣味的な計画であったので経済的につづかず、残念ながら中絶ということになった。そのころの木版図のうちから2枚、ここに掲載することにした。Rは釣舟の花器(つりふね)に白藤の生花を活けた圏である。釣り手のくさりのりんかくの中に花形をおさめることになつているのだが、この図は実際に活けて写生したもので、藤の花葉のひろがらない程度のもの(この程度だと水揚もよく形もよい)を選んで活けた。足もとを焼く程度で水揚げる。R六月より七月へかけてぎぼうしの花が咲く。かなり種類の多い花で、山に野生するもの、栽培のものにも数種類ある。掲載の花は「さじぎぽうし」といつて六月初旬から中旬へかけて園芸栽培されるものだが、生花の材料としては好ましい材料である。花も葉も引きしまつているので、葉糾の技巧がよいとよい花形を作ることが出来る。この絵はる。右勝手(上)と左勝手(下)の組み合せで花形を構成する。R昭和10年ごろだったと思うのだが、私のいけばな図を木版「二管筒」の生花であ昼⑧ C 4土月令抒堕... このごろはいけばなの絵をかくことが少なくなったが,以前のある時期に,活けた花を全部写生していた時期があった。拙い写生図だが恐らく通算して2万枚以上は書いたと思う。そのうち手もとに残つているものの中から,季節の花を選び出して掲1如することにした。ここにある4枚のうち,4ページの2枚は木版画。5ページの2枚は手描きのものそのままである。だいぶ年が経ているが今日でもあまり変りはない。古い写図から季節のいけばな(専渓・画)R ••••

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