テキスト1971
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R猫柳にも随分多くの種類がある。普通の猫柳は三月早春の頃、表皮がとれて銀色の芽を見せるのだがあかめ柳は十一月頃に赤く褐色に色づき、自然に表皮がとれて銀色の実をみせる。ねずみ柳、黒柳、紅柳その他に青芽柳というのもある。ねこもいろいろ種類のあるものである。そのうちにペルシャ猫にインド猫というのも出てくるだろう。ここに活けたのは赤芽の猫柳、花屋の棚の残物の中から3本だけ買つてきて、これも少し咲きすぎた紅菊をそえて活けた。濃い沈んだ色の小菊と緑の葉、黒い花器との調和がよ葉の寒菊は黄色の花が咲きはじめて、葉は緑と紅葉が入り交つて初冬の感じがことに深い。紅葉の寒菊は椿と同じように一種挿しにして、茶室の床に入れるような雅趣を楽しむ花であるが、これをさんきらい、さんしゅうなどの実のある木ものの類のねじめに使うのも調和のよいものである。しかし、寒菊を主材にしてこれにあしらいの花を添えるのは、中々むづかしいもので、取り合わせをよく考えないと失敗することが多い。アイリスと寒菊、これは群りのある寒菊にアイリスのコバルトの花と葉の曲線とが調和よく野趣のある花器に活けると軽やかな盛花が作れる。あかめやなぎアイリス寒菊紅寒菊4 @ しR‘,0虹 ⑧ R

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