テキスト1971
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疇‘~花を置く場所、また花器そのものがちょうど額橡の様な役目をしておる場合がある。たとえばこの棚のように、上に花瓶をのせて活ける場合にはあまり制約をうけないが、棚の下に懺くことになると上下左右の窓の中に花を置くような関係となり、その窓わくの中にいけばなを罹いて上下左右の空間の中で花と花瓶がよく調和しているかということを、考える必要が生まれてくる。たとえば、Rの写真にあるカキッ.. けているのだが、この場合に花器と花とがこの額橡のようなリンカクの中に、どんなに形よくおさめるかとく、左右上下の狭い場所によく安定しておさまりのよい花型と、大きさを考えることが必要である。この考え方は普通の瓶花盛花にない制約であって、ちょうど額装の絵をみるような考えで花を活けることになる。バタはかなり狭いワクの中に花を活いうことが中々むづかしい。Rの棚の中のバラの小品盛花の場合も同じ贔、,'▲4 蘊 一、⑨ c c茶の間に懺くと調和のよい棚である。茶器などを脳くのに便利のよい棚だと思う。これに小品の賄花を飾つた。花器は染附の陶器。テッボウユリの細いものを3本、手軽るな感じに挿してあるが、こんな場所にはあまり堅くならない感じの花が好ましい。一種挿しでなんとなく挿してあるといった感じの花がよい。棚は掲色の塗料仕上げなので、花器も花も白色の傾向のものが調和がよく、白椿、白菊黄菊なども調和がよいだろう。⑪これはRと同じ棚に飾り方をかえてみた。上に花を飾り、袋棚の上に古書を重ねて置いた。こんな飾り方も調子が美しくみえる。棚の上の花は淡青磁にルリ色のふちどりのある花瓶に、洋種あじさいを三本挿してある。花の色は青く水色の花で、花瓶の口もとが広いので、右方へかたよせて棚の上に垂れさせる様に形を作ったが、棚がかなり高いので下から見上けることになり、そんな点でも花は垂体が調和よくみられる。右の下の書物と左上の花とのバランスを考えて飾りつけた。7 涵-▲`Iヽ▽

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