テキスト1971
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棚(たな)という言葉の意味は随分ひろい。書棚、床の間の棚、台所の棚、物置の棚いろいろある。その中に飾り棚(かざりだな)という言葉がある。これはただ物を置くという意味だけではなく、装飾用の棚、美術品などを飾る棚、そんな目的のための棚である。床の間の棚もこれと同じ意味の棚であるが、この。ヘージに掲載した様な古い形式の日本座敷に装飾用として用いる棚があり、また、これには多くの種類があり、意匠的美術的なものが随分ある。この飾り棚にいけばなを飾ることが昔から行なわれているのだが、このページには一一種の棚にそれぞれ調和する花を活けておみせすることにした。いずれにしてもあまり大きな花は筐けないが、その場所にびったりする花器と花材、花型の大きさ、趣味的に調和するもの、そんな点をよく考えて活けることになる。他にもいろいろ変った棚があるから、これを標準として考えて下さい。Rこの棚は座右に置いて書類や茶器などをおくのに便利な棚である。紫檀に斑竹を加えて作った小振りながら精巧な仕事がしてある。高さ45センチ、横60センチ程度のものだが、写真では上に小品の白椿の源花、右下の棚下ヘカキツバタの小品花を活けた。上は瓶花、下は盛花ともいえる簡素な花である。上の椿は足もとをすかせて軽やかな感じに挿した。カキツバタは棚のワクの中におさまる程度に、高さ、横巾などを考えて作ったが、花器は白いはけ目のある薄茶碗を使ったが、大きさも.. 趣味もよく調和していると思う。Rこの棚は高さ1メーター程度、横巾1メーター10センチ、かなり大きい棚である。民芸品屋で買った棚だが、使いみちが便利だし単純な形がよい。棚の上段に菜子鉢を花器に使って、淡黄色のバラニ本を入れた。背を低く作って、棚の空間におさまりのよいように形を考えた。棚の上に青銅の香炉を懺いて装飾にした。6 か飾ざり棚だなの小品花l*‘公沿、...illL .,.,. R R

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