テキスト1971
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豊太閤の醍醐の花見で有名な桜の名所である。Rの写真は染井吉野の満開の花と、定紋のまん幕との配合がいかにも由緒の花らしい風格をそなえている。歴史の土地に咲く花は一層の雅趣を慇じるものである。「西は法輪、嵯峨のおん寺」という歌の言葉があるが、京都の洛西にも花の名所が多い。中に‘一畠周山の奥深い常照皇寺のしだれざくら、広沢の池あたりの桜、水と桜の梢紹が静かに美しい。電車とさくら、鴨川の二条から五条まで疏水の水路にそうて、柳さくらをとり交えてこの季節は華かやに美しい。このあたりは歴史に関係の深いところだが、秀次の愛妾どもの処刑された三条河原、お国歌舞伎で有名な四条河原、高瀬舟で紹介された嵩瀕川、そのまん中を殺風景な屯車が通る。どうにも面白くない進歩と蘭和である。Sと宝輪さ< だいごの寺の万重の塔としだれざくら塔に高くそびえたつ宝輪(ほうりん」と桜との調和、美しい伝統の春の絵である。しだれざくらは仙台が本場で、だれ」という品種もある。さくらづき、さくら雨、さくらかざしなどという言葉もあって、頭に桜を飾る美しい惜結、昔の衣服のさくらがさね、さくらごろも、桜の茶屋、さくら餅には関西風の作り方と関東風の作り方がある。「仙台し3 こR c 京都醍醐のさくら鴨川堤のさくらI-,, んら.:,・咄軍. ,, . \""

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