テキスト1971
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新年へも数日をのこす12月27日の今日、初雪の白が朝の陽に新鮮なかがやきをみせている。北の庭にはさざんかの白花が満開となり、紅色の寒つばきの早咲きの花が漸やく咲きはじめて、朝陽にとけはじめた雪のとけ水のしたたりにぬれて、緑の葉が目にしみる様にあざやかに美しい。一月号の巻頭のいけばなに「若松」「ストレリチア」の瓶花の写真を入れることにした。ストレリチアは花」ごくらくちょうばな、といわれているし、ストレチアともいわれている。普通はオレンヂ色の花に紫の花べんのある種類が多いが、この花は南アフリカ喜望峰地方に自生する花で、というのが正しい品種名である。最近ストレリチア、オーガスタという白花の品種をまれに見ることがあるが、オレンヂ色の種類よりもさらに巨大な強い感じの花で、いけばな展の作品の材料として時々みかけるこ般には「極楽鳥とがある。終戦後の23年かその翌年ごろ、宝「ストレリチア、レギーナエ」塚沿線のある温室で、はじめてこの花をみたのだが、熱帯の鳥の形をしたこの花をみて、貴重な花だな、と感心したものだったが、その後さかんに出廻るようになって、段々と使ってみると、中々つかいにくい花だと考えるようになった。まず葉の形が硬質で強くて趣味がよくないし、花と葉と合せて活けるのは第一に感心しない。かいうの花と同じことで、これは花だけ使うのがよい。いけばな展などで、ストレチアを使つてある作品をよくみかけるが、うまく使われているのをみたことがない。変調な形の花とオレンヂ色という中途はんばの色なので、これを充分に使いこなすことがむづかしいのにちがいない。今日、新年の花として「ストレリチア」と充松の2秤を活けてみた。花器は蜀った白に明るい緑色のうわぐすりをかけた広口花瓶である。他の洋花でもそうだが、洋花に的な例として、落培きのある感じがする。この写真の瓶花もストレリチアのオレンヂの花と若松の緑がしつくりと調和して、新年の明るさとのびやかな感じを見せていると思う。..... i毎月1回発行袢や花、木をも添のえをるあよしりらもう、のn本がの、花一般築桑原専慶流編集発行京都市中京区六角通烏丸西入新年を飾るいけばなストレリチア,桑原専罠流家元レギーナエ専渓いけばな1971年1月発行No. 91

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