テキスト1971
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R猫やなぎの芽は飯色にふくらんで、早春の自然をみせています。この花は二月十日に活けた花ですが、カーネーションは白色二輪、赤白交色の花四本をあしらいにつけました。花器は浪い緑色の陶器です。生花の花器のうすばたの形を写して作った花器ですが、あつさりとした形で面白いと思います。この花器をみて、生花のぐっとくだけた新しい感じの生花、といった調子の花を活けたら、と考えて、材料をと合りせたのですが、生花でもなく瓶花でもないといった中間の形、そんなものがあってよいと思います。こんな考え方も創作的な考え方でありましよう。さて、生花の創作というものは中々むづかしいものです。でき上った作品に品格がなければなり哀せんし、生花の型にはまつても面白くないし、花器に調和してしかも新しい感じを作る、というわけですから。猫やなぎの石本の枝線・元わざとのんびりと入れて、カーネーションは瓶花の調+で、みずぎわは生花と瓶花との混合した形、そんばところ.芦考えました。―つの試みといえましよう。新しい感じの花器でないと戊じが出ません。Rモンステラとシクラメンニ利を同じ花器に活けました。これも洋花二種で生花を作ったのですが、Rの柳カーネーションに比較すると、少しかたく生花の基本型にはまつています。しかし、モンステラとシクラメンの二種は大変謁和よく、花器にもびったりとよくのつていると息います。シクラメソという花は短い草花ですから、普通には生花のあしらいの花としては考えつけない材料ですが、出米上つてみると、案外面白い感じを出しています。白と紅の花を交えて色彩的にも美しい取合せです。シクラメンの葉は極めて短いので、足もとに低く挿して、ほとんどみずぎわ衣見えない様にして、水面に浮きたつように美しい技巧に注意して挿してあります。この作花は、真、湖のモンステラ、控と留にシクラメン、胴は省略して入れておりません。瓶花の中間の位岡と思っところに白花一本を高く入れ、この花が全体の中心となつています。洋種の材料が段々と増してきますかnh、生花にもこんな自由な考え方も好ましいと息います。4 花か生虹iJ@ R の創作

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