テキスト1971
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いけばなの作品にはその性打によつて、弛い感じのもの弱い感じのもの、繊細なやさしい感じのもの、色調の強烈なもの、淡彩的な清楚なもの、その他いろいろの感じが生れてくる。これは、材料に使う花の個性・性質が自然にそんば感じをそなえている場合も多いし、花器のもつ弛さ弱さの感じが、いけばな作品に影鰈1』宅もたらして、出来上ったいけばばにそんな感じをもたせる場合もある。また、別の見方からすると、どんなに強い性質の材料を使つても、活ける人の考え方によっては弱い感じになる場合もあり、細い草花のような材料でも、活ける人のしつかりとした考えJiと、それを作る技術によつては強いいけば.な作品ともなり得る。材料のもつ強さ剥さの上に、作る人の信念が。フラスして、作品の飯劣がきまることになる。もちろん、はつきりとした強い作品がよいのだが、これは花器花材の分量とか大小とかによってきまるものではない。どれほど大きな作品でも、なんとなく弱々しい作品もあるし、小品の花でもしつかりとした作品もある。たとえば、水仙1本、つばき一輪の小品花でも見る人の気持ちをしつかりとめるようないけばなは、技術的にもよいし、また、いける人のはつきりとした考え方が花にあらわれているといった場合が多い。私逹のいけばなには、目標のしつかりした作品、優れた考案、優れた技術のある作品を作りたい。ここに掲載した瓶花は、そんな意味において強い性格をもった作品だと思う。自懇で原頻だけれど、n作クンシラン2本、白椿をかなりたっぷりと配合して、花器も陶器としては形もどつしりとして、花器と花とがともにゆずらぬような強い咸盆n戸あらわしている。クンシランの花軸の太く直線の形、オレンヂ色の花の集り、椿の群り、これらが花器にしつかり安定して、大作瓶花の強い感じをつくり出していると思っ。ねらいどころのはつきりしている花、その考え方を見る人に伝え得るような考案と技術が望ましい、ということである。(3月5日挿花)J毎月1回発行桑原専慶流編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専脳流家元ちからつよ専渓No. 94 いけばな1971年4月発行力強い作品

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