テキスト1971
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R梅、ストレリチア、白大輪菊3種の盛花である。花器はチョコレート色の創作陶器。若い陶芸家の作品だが面白い形の花器だと思う。これも色彩の美しい花だが、梅の直線とストレリチアの應線の茎、菊も直線の茎、この三つの上へのびる直線が左右斜にはり出した梅の枝とバランスをとつてよい形を作っている。洋花との配合であるが、なんとなく明るい感じの瓶花である。洋問のサイドテープルに飾ると調和のよい花である。最近は梅と菊の取合せも普通に考えられるようになったが、形、色彩、趣味ともによい配合だと息う。この花器は底が狭いので、砂を入れ剣山を安定させて、それに留めた。ストレリチアスイトビー、はほたん、スイトビーの3種である。花器に服装は案外のんびりしているが、お使ってあるのは「一升枡」で、この盛花は節分に因ん茶の先生の水も洞らさぬきっちりさだ意匠花で、枡に豆(スイトビー)を盛りこんで、節と分の花、という意匠である。いけばなのテレビ放映をしたことがあった。1月からも5月までだったと思うが毎過連続して、その季節の花が、日本舞踊の女の先生の形、これを活けて放映したが、そのとき局からの依頼でこの花も一目でそれとわかる。ベレー帽をを作った。婦人百科に掲載された写真である。別の話かぶる商売は写真師に洋画家、お医だが節分のいけばなというのを新聞社からも顆まれた者さんと魚屋さんは隣り合せたときことがある。どうも古い感覚で面白くないのだが、節匂いでわかる。新米の先生ほどその分などといわずに花だけ見れば面白いと思うので、季職業がうかがわれるが、大家の先生節の盛花として掲載することにした。この花は11月のになると戦業の如何にかかわらず、末に活けて「2月号婦人百科」に掲載という花で、梅全然わからない。これはどうしたもR梅の花などまだない頃の梅の花である。のだろうはぼたん3年ほど以前にNHKで間には大分違いがある。。白菊私の十二、三オのころ、和歌漢文を教えてもらった先生に野村慶堂という人があった。父に花を習つておられたので慶堂という花号があるのだが、この先生が、「町でかけ軸の箱をかかえて歩いているのは厭な姿ですね」といわれたことがあった。そのころ子供の私はなんのことだかわからなかったが、職業らしい格好が姿形にあらわれるようなのは嫌な感じだということが、段々とわかるようになった。そんなに考えて町を歩いてみると日々の習慣が身体にしみついて、その職業らしい格好がそのまま出ている人が沢山あつて、なんとなくほほえみを浮べることがある。お茶の先生に、花の先生、能楽師などことにその区別がよくわかる。花の先生の、能楽家のきちつとした格好とのちろんこれは和服の場合の話だ8 R ⑮ 梅梅

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