テキスト1971
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生化では一秤二利の材料で活けることがほとんどである。しかし材料によっては三秤五莉七莉程度まで交挿することがある。秋布千の生花などはその代表的なものであろう。秋の七草というー1翁委があるほどだから、その平節の野趣のある草花をとりまじえて活けるのは中々風雅な感じがする。12月に秋年は季節はずれだが、珍らしい生化なので掲載することにした。この生化を活けたのは10月の末で、ちょうどホトトギスの泌閲のころだった。材料は(すすき、おみなえし、ほととぎす、さんぎく、てつせん)の孔種である。―つの生花の中へ五師も七秤も入れるのは花が混雑して入れにくいものである。秋の七芹というのは定まった取り合せがあるのだが、この牛花にはそんなこだわりはなく、調和のよい形と色の材料を選んで取り合わせた。もちろん生花のことであるから花形が足つており、真副胴留控の場所へどの花を配岡するかを考えねばならないのだが、なるべく日本趣味の芹花の配合がよく、色彩的にも美しい湖和のあるものを選ぶ。あまり窮屈な必じにならないように自然風な氣持ちをもつて活けることである。足もとはきっちりと揃えてここで技巧をみせる。おみなえしに対するテッセンの一輪の紫がきわだって美しく、仝休を引きしめている。秋草の生花.... 2

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