テキスト1971
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哨~窃器で染R掲色の荒土の壷、上ぐすりが肩にかかつている。しがらきの壺としては趣味のよい壷といえる。すすき1本、白の中輪菊1本を軽くつきさした。こんな感じが技巧の少い「投入れ」といった花であろう。すすきと白菊は調和のよいものだが、大阪では月見の花にすすきと白菊を活ける。京都ではすすき、萩の二種が一般に使われる。c 山の斜面を利用した登り窯が多い。最近は市油窯が多くなったようだが、かなり大きな工場が点々と町の中にある。それでも土の写真に見るように割り木を山の様に梢んだ窯元も多い。⑪この工場は壷、花器の類が専門らしい。即ものの盛、少し大きいものはろくろで形を作り料をかけて色をつける。数多い仕事を流れ作業でどんどん作つて行く。R駅前の陶器店の庭にある狸の行列である。これだけの狸が毎日どこかへ運ばれて行くのだから、趣味もいろいろと感心する。蛙の陶器も何百となく並んでいる。時間の閲係で高栢楽斎氏、上田直方氏の陶房をrJj問することができなかった。⑪ R R壺窯の里、信楽は滋賀県の最南端の山間の町である。山一っへだてて三重県の伊賀と近いので、信楽焼も伊賀焼も―つのもの、という説がある。信楽へは邸津線にのりかえ宜生川経山、楽である。山間のしずかな小駅だが、この駅に下車すると駅前からすぐ陶器届が並んでいて、洒瓶をぶらさげた狸が行列して出迎えてくれる。この町は系人のお客よりも陶器業者が仕入れに行く町で、植木鉢や茶壷、梅干壷、水鉢のようなもの、それに下級品の花器の類が多い。かさ高い大きい壺の類が安価なのも特徴であろう。町へ入ると割り木の積んであるのが目立つ。陶器の町という感じをうける。実井駅の次が信(窯元―二0軒)(登り窯一五0基)... c、,R

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