テキスト1971
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11月に入ると木の葉、草の葉が黄色に色づき紅葉して、それまでの濃い緑の中に一きわ色を添えるのは、季節のうつり変りが感じられて、美しくもあり、またやがて落築の冬を迎えるかと思えば、わびしさを慇じるものである。11月の10日をすぎると一日一日と紅葉の色が変つて行く、きのうあんなに美しかった木の葉が、今朝は色もあせて福色に変つて行くのをみると、いかにも晩秋のあわただしさを感じるのである。紅菜というと一般的に楓の紅菓が代表されるのだが、山や野原の木や尊が緑から黄色に、やがて紅葉してゆくのをみると、いかにも季節の変化が身にしみて、雑木雑草の雅趣を一層深く感じるのである。美しい庭園の紅葉も結構だとは思うのだが、山の雑木や小川の畔の草の葉の紅葉など、自然の季節感をみつめるようにしたいものである。すすきの葉の紅巣、りんどうの残花の青い花に業の紅葉したもの、野生の野菊の紅葉、いわゆる草もみじの美しさはひとしお風雅であり、いけばなにも好ましい花材といえる。木の実と紅葉の璽なったもの、黄と緑と朱色に染めわけた雑木の葉、一阿、野趣の深い花材といえる。Rさいかち、百合を取り合せて花器は黄土色の長方型花瓶゜さいかちは豆科の落葉喬木で、山野河原などに11庄する。秋になると籐豆の形をした実が似色となり、野趣の深い感じの材料である。花堺の淡い掲色にさいかちの濃い掲色の実を直ねて、百合の明るい緑の菜、白い化。この配合は放い好みの中に明るい色謁をもつ花といえよう。下へ垂れるさいかちに対して、訓立した百合の花も対照的な考えJiであり、百合の緑の伯へさいかちの掲色は効呆的な色彩といえる。4 紅薬RR かわっている盛花。ウチワサボテン,を変型の水盤に安定させ,アンスリームの外色2本を左方へ,その中間に褐色のホトトギスを人れた。材料の配合がテッボウユリサボテンホトトギスサイカチアンスリーム@ ⑧

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