テキスト1971
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エゾナナカマドアイリス黄菊白菊(この号の作品写真は全部10月6日に撮影)c c私逹がいけばなに使う「ナナカマド」には2種ある。初夏の頃に細い茎に緑の築のナナカマド、秋になると紅葉して朱色の実が美しい。この稲類のものは「ナンキンナナカマド」といい、それが秋の実の色づく平節には一般に「ミヤマナンテン」といわれる。これとは別に、やや太い木ぶりで秋に、房状の実が群つてつく種類のものは「エゾナナカマド」という。(ホザキナナカマドというのは初皮のころ白花を咲かせる)このベージに活けたナナカマド⑪ は「エゾナナカマド」で、葉は落ちつくしているが、実の色がことに美しい。cの写真はこれに淡黄の大輪菊2本、白花の菊1本をつけて瓶花に活けてある。花器は掲色の手付花瓶で落杵きのある調和である。花器の右方へ長く枝を出し、留の位漑の左方と、花器の前方へも低く実付き枝を垂れさせて、な両線的な足もとの材料は、下部高い花器の下部の形を作った。葉のある枝は葉の災向きにならぬように活けるが、賛木のない材料は裏枝になっても、枝振りの変化の面白いように活けてもよい。房状に垂れる実の形のよいように考えて花器におさめる。菊は黄菊に白を1本加えて配色をとった。⑪の盛花は「エゾナナカマド」にアイリスを添えた盛花。花器は禍色のやきしめの鉢である。アイリス、スイセン、カキツバタの様に他の葉のある材料を添えるか、主材も副材も広葉のない材料は、花器の深みのあるものを使って足もとを美しく見えるように考えることである。アイリスの青色の花と実の赤の配色が美しい。3 .... f⑪ c エゾナナカマド

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