テキスト1971
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コクワヅルは東北地方、北洵追地カの山地に野化する、ツル性の低木である。フジヅルに似て黄褐色の木肌が美しくいけばなに適しているので、戦後、私逹が盛んに使うようになった材料である。長野県地方にもあるとのことだが、これとは別に細いツル性のベニヅルというのがあこくわづる専渓る。ベニヅルは濃い紅椙色でツルモドキのような細いッルで、これも北日木全体に野生するもので、コクワヅルとは別のものである。コクワは附和つてきて、私逹が材料に使うようになったのだが、ちょうどそのころ洋花のストレチア(オレンヂ色)がまだ珍らしいころで、ニといった憾じの花であった。それからストレチアの白花、オーガスタというのがあらわれて、これは今日もまだ大衆的にはなつていないのだが最近は園芸技術が進歩したというのか、珍らしい花が年ごとに見られる25年ようになった。今年は白花りんどうの美しいものを稽古の花に使うことができたが、また、ガーベラも品秤がよくなったごろ関西に出廻し、バラもよい花種のものが手軽に使えるようになった。ダリアは戦前にはよい品種のものが多かったがこのごろはどうしたわけか、あまりよューフェースいものが出廻つてこない。花も流行に関係があるのかと考えさせられる次第。ホトトギスの黄花(ジョロウホトトギス)が使えると美しいものだがリンドウの黄花などと同様、多量栽培がむづかしいのかと息う。エピネという花がある。栽培も楽らしいのに案外、切り花としては使われない。水批もよいし色もいろいろあつて紬料材料として適しているのだが、どうして栽培されないのかと思う。数年以前、尾顧へ行った人から「ミズバショウ」の切り花をもらった。早速いけたが水揚もよくかなり長くもったが、北悔道の「マリモ」を二、三個もらったこともあった。いずれも禁制品でないしよの話である。クマガイソウ、アツモリソウなども魅力のある花だが、黒百合などとともに、中々、手に入りにくい。.... 毎月1回発行桑原専慶流編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専殷流家元こくわづる淡青磁の壷にコクワヅルを細くからめて,上へ高く下は花器の前へ重ねて低く留めた。むべの実つきのツ)レを1本,右方へさし出して.中央に浪い紅色のダリア3本下へ淡紅色を1本入れて,少し変つた花形を作った。むべダリア1971年11月発行No. 101 いけばな

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