テキスト1971
13/154

會に,□らまくずが原の面影をとどめて、Rの写真にあるような野趣のあるお土産もの屋もあり、陶器師永楽の雅致のある店、甘酒を売る腰掛茶屋などがあつて、ほっとする憩いを感じます。八坂の五重の塔(法観寺)から西へ下りて行くと祇園町に入る。ここは裏で表口は四条通花見小路が正面入口ということになります。花見小路の角にある「一カ茶屋」。ここは大石内蔵助の遊んだという有名なお茶屋ですが、赤壁の高い塀をひきまわして堂々とした構えです。大石は伏見の撞木町で遊んだのだ、とのc祇園花見小路(餅花を飾る家)祇園町の始業式風景説もありますが、まあどちらでも結構です。とにかくその一カの前へ入つて行くと、その付近一帯、これが名高い祇園町。正月のお茶屋の軒先は、粋な定紋ののれんをかけて、打ち水もすがすがしく、白い和紙のかけ行燈に「よしのや」「てる」などと粋な情緒をみせて、その上に柳の枝をさし添え、餅花がつけてある。写真c。先月号テキストに餅花のことを書いたが、これが京都の「餅花の飾りつけ」の名残りとして残っている姿です。花見小路を少し行くと歌舞練場があります。広い構内に歌舞練場の和風の大きい建てものと、洋風五階建ての弥栄会館があり、この中に京都観光協会主催の「ギオンコーナー」があります。観光事業として、主として外人に京都の伝統芸能をみせる催しを、三月より十一月まで連夜開催されています。狂言、雅楽、茶道、花道、日本舞踊などを見せていますが、開設以来すでに七年、簡単に見学できるので、観光客の間に評判がよいとのことです。生花は開設当時から、桑原専慶流の代表者が出演、このごろは岩田艇寿さん、田中慶幸さんが担当しておられます。c ⑬ ⑪の写真は、祇園町芸妓舞妓のオンパレードです。一月八日、花見小路歌舞練場で始業式があってその風景です。面白い写真ですね。京都の人でも見なれない風景ですが、この日は昨年中に収益を一ばん多くあげた芸妓が、取締りから表彰されるという、芸妓さん達にとつては、紅白歌合戦にも比すべき重要な集りです。井上八千代さんの舞踊があって幕をとじることになります。さて、清水は京都陶器の本場です、戦前までは五条坂の鴨JI東から山手へかけて、陶器の窯が黒い煙をあげていたものですが、今では東山の南山麓の泉涌寺方面へうつつて、五条坂付近には窯はほとんどなく、電気がまの普及で、松割木の黒い煙をみることが殆んどありません。泉涌寺から山料、信楽の窯を使うようになつているそうです。したがつて浩水焼の公害問題は起らないのはなによりのことです。五条坂も今は道はばも広くなり、京阪国道から滋賀県へ通う交通のはげしい町となりました。陶器の町という風雅さがなくなつて、京都の名所を失った淋しさをしみじみと感じます。高台寺は萩の名所「まくずが原の露の世に」などと謡曲「隅田川」うたわれた名所も、菊の名所であった菊渓(きくたに)の而影もありません。菊渓倶楽部という和風の会館があって、いけばな会や茶会、謡曲の集りなどがあったのは明治から大正のころでした。ただ、このごろの夏には朝顔園や、円山公園の朝顔展などがあつて、この辺の静かな桔紹をしのばせています。現れある音楽堂の殺風景の建ても一帯を萩の名所にのを坂して、この復活したら、という計画もあるらしいのですが、昔にかえす環境保護の施策をして欲しいものです。このごろ東山南辺の呆簡寺附近には陶器の本場が移転して、細い曲りくねった町が人りくんで、映画「望郷」のカスバ、ジャンギャバンの舞台を想い出すような面白い街を構成して、陶器町の雅致を感じます。(専汲).... ... ,. ヽー.. ~. み囀~~ ~ 11!!11)!!;1!!!! ~---_,,.... .,. . 4ffllll ... • tfl'I疇’⑪ f!J,~.., ‘ヽ9~~--..,...~-~~ --.,.._-...'. ~-" -零、・、!"41.-;.、_,_~-、声;;c-:~ 名,.~ユ響~.........y. __ ヽ~-二、‘'l. • ~t. ~-1:-t ;t. も、二·-~.:-:-,~Y! 心召、f;.'t:~べ—らに出、;,,-~:ざ”/4., ~!. ~. J_~--:\-~)'Ji.、よ町:...,~,r-L "'."~ ベ4;~-、~-01)、u--.\!I'ツ-

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る