テキスト1971
122/154

ぅ゜洋花でも調和するものもあるが、やは以上、丹波焼の陶器五つに花を入れてならべてみた。丹波焼という陶器と、それに調和する花について、簡単な解説だけれどその大体がおわかりになったと思り野趣のある日本情緒にふさわしい花器である。ただ感心するのは形が非常に多いということである。用途に応じた工夫がみられるのも面白い。また立杭というところに古い陶器の村の面影が残っているのも嬉しい。R 立杭には約四十の陶器工場があるといわれる。この「やきものの町」という立て札のあるところが上立杭で「陶芸会館」の前の街道である。山峡の間を流れる四斗谷JIにそうて工場が点々としてある。四方に山がみえてその中に一本、府道と思われるアスハルトの道が通つており、乗合バスが走つている。ひる近くの時間であったので、子供達が学校から自転車の列を作って帰る景色もあって、町というよりも村といった感じのする立杭の陶器町は静まりかえつていたが、私達は、陶器の窯や附近の状景を写真にとり、陶芸会館の見学と、いくつもの窯元を見てまわるのにいそがしかった。ことに而白かったのは立杭特有の登りがまの形であった。このかまは俗に「へびがま」といわれて、山の斜而を利用して蛇のように長くつづいている窯の様式で、長さ約四0メークーに及ぶ半地下式のかまぼこ型のもので、この立杭特有のかま形式といわれている。丁度、かま入れの日であったので、その状景を写真にとったのだが、その道にそうた草むらの中に、石地蔵や露仏が立ちならんでおり、その隣りに登りがまがあって、なんとなくひなびた感じの風景だった。4 . 栗ある。けいとうR これは古い時代の丹波焼だが,多分,ふたのある油壷だろうと思う。栗の枝ののびのびとしたものを左右にひろげて挿し,けいとうを翡く4木入れた。足もとに空間を作つたのも一つの工夫で...

元のページ  ../index.html#122

このブックを見る